下塗り(化粧塗りを含む)

このコーナーでは、2液性ウレタンによる下塗りと化粧塗りまでの工程について、解説します。

使用する2液性ウレタンは、薄い皮膜でも強度があり、黄変しにくく、防水効果もバツグンで、ヘラウキの塗料には、もってこいの塗料です。

下塗りでは、色塗りや銘入れをボディにしやすくするために、下地を整えることが主な目的です。

2.乾燥時間について

乾燥時間は、24時間を基本としております。逆に言えば24時間以下はありません。24時間が最低かと思います。

帰宅後、毎日ウキを作っていますので、全ての工程において、24時間を基本としています。

ただし、2液性ウレタン色止めのみ48時間を最低にしています。

2液性ウレタンは理想を言えば48時間以上が良いと思っています。

2液性ウレタンを玉の柄や竿掛の塗装に使用すると、クラックがよく発生します。

特に重ね塗りした部分に発生します。ウキでは脚の先端が白くなるのが見かけられます。

2液性ウレタンは防水面ではよいのですが、衝撃には弱いように感じております。

3.筆の処理について

とある方から、以下のようなアドバイスを頂戴いたしました。

名前を明かさないことを条件に公表の許可を頂戴しましたので、掲載させていただきます。

筆の後処理

−前略−

当方はウウレタン用の筆は使用後にシンナー等で洗浄後、水を使用して洗剤(手洗い用等)で洗浄し、水に浸けています(ウレタンの硬化時間)。この処理で筆の根元が硬化しません。

この処理を行ってから、筆は消耗品から外れました、ご参考に。

貴重な情報、ありがとうございました。

4.塗装に使う用具

塗装用具

各用具の説明は、こちら


1)2液性ウレタンの混合:


筆のシンナー洗い

塗装にホコリやゴミは大敵です。塗料にホコリやゴミが混ざらないように、また、筆に塗料がよくなじむように、シンナーで筆、筆皿をよく洗います。

2液性ウレタンの混合比ですが、箱の説明書にもあるとおり、硬化剤1:主剤2の割合で混合します。

この混合比は容積比ではなく、重量比で混合しますが、少量であれば容積比で計ってもそれほど誤差はありませんが、大幅に狂うと硬化しない場合があるので、注意が必要です。

以前はティースプーンを使用していましたが、より正確な計量を行うために、注射器と使い捨てのストローを使用しています。(2009年6月16日)

2液性ウレタンの混合(硬化剤)

まず、注射器と使い捨てのストローで、硬化剤を0.75cc入れます。

2液性ウレタンの混合(主剤)

続いて、ストローを交換し、主剤を1.5cc入れます。

2液性ウレタンの混合(シンナー)

続いて、スポイドでシンナーを1.0cc入れます。

2液性ウレタンの混合(混合)

続いて、筆を使って混ぜ合わせます。この時、できるだけ気泡が入らないように混ぜ合わせます。

硬化剤0.2cc:主剤2.0cc:シンナー0.2ccが標準となります。(2021年4月22日に記載修正)


2)下塗り1回目・2回目・3回目:


下塗り1

筆をウキに対して直角に向け、回転させながら肩の絞り部分を横方向へ塗ります。この時、なるべくトップにはみ出ないようにします。

下塗り2

肩がぬれたら、肩から足先まで縦方向に塗ります。手早く丁寧に行います。また、この時、筆ムラを防ぐために、筆の返しはせず、一方向にのみ塗ります。

乾燥

丸1日乾燥台で乾燥させます。この時、ホコリが付着しないよう注意を払うことが必要です。

私は、食器用の水屋を改造して、この中に乾燥台をおいて乾燥させています。

研ぎ出し

下塗り1回目、2回目は、乾燥後、600番の紙ヤスリで、3回目は800番の紙ヤスリで表面を整えます。研ぐ場合には、大きな洗面器か、洗面台に水を張って行います。

カラー塗りの場合には、研いだ後の水が羽根を汚しますので、洗面所で水を流しながら研ぐようにします。






3)下塗り4回目:


下塗り4

上記2)下塗り1回目・2回目・3回目と同じ要領で、4回目の下塗りを行います。塗装後、1000番の紙ヤスリで仕上げ、下地塗りの完成です。

以上

Copyright (C) Studio Jinshin