「ウキを知りたい −基本を覚えて使い分けよう−」7


第7回 エサ落ち目盛りの変化について

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1.前書き

今回は、「エサ落ち目盛りの変化」というテーマで実験を交えながら解説を行っていきたい。

エサ落ち目盛りの変化については、「へら専科」2003年6月号と7月において、細田雄治氏が詳細に検証をされている。

いくつかの点で重複する部分もあるが、特に「水の表面張力」に焦点をあてて、実験と解説を行っていきたい。


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2.エサ落ち目盛りが変化する要因

えさ落ち目盛りが変化する要因はいくつか考えられる。釣り人が日常感じている代表的なものは、

@ゴム管の挿し方

Aオモリやヨリモドシ内の空気

Bミチイトの重さ

Cトップの表面張力M/p>

である。その他にも水温や水の比重(汽水域での使用)といったものがあるが、今回は割愛させていただいた。

(1)ゴム管の挿し方

使用したウキは、「尽心作 匠」Type-D2 浅ダナ用PCムクのウキである。具体的仕様は以下のとおりである。

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ボディ:孔雀の羽根5.3mm径(塗装前の状態で計測)、40mm 2枚合わせ

足:カーボン製 最大径1.2mm、最小径0.8mmにテーパー付け 70mm

トップ:PCムク製 最大径1.0mm、最小径0.6mmにテーパー付け 90mm

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使用したウキは同じ。画像2はゴム管に半分ほどウキゴムに挿した状態でのエサ落ち目盛、画像3は完全に挿した状態でのエサ落ち目盛である。

ゴム管の中に空気が残っていると、この実験からもわかるとおり、僅かではあるが、エサ落ち目盛が変化する。

ウキをゴム管にさす前には、水の入ったエサボウルの中で、ゴム管内の空気を抜いてやる必要があることがわかる。

(2)オモリやヨリモドシ内の空気

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板オモリをまいたままの状態で、エサ落ち目盛を表示したのが、画像3である。

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この板オモリをゆすって内部の気泡を取り除いてやると画像4のように、約1目盛エサ落ち目盛が変化した。

この実験からわかるように、エサ落ち目盛を決める際には、強く振り込む作業を何度か繰り返すか、水の入ったエサボールの中で、オモリやヨリモドシ内の空気を取り除くことが必要であることがわかる。

(3)ミチイトの重さ

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画像5をみて欲しい。これは、ミチイト0.7号を約3.9m分巻いて精密オモリで測定したものだ。

ご覧のとおり、0.08gを表示している。これは、0.25mm厚の板オモリの約1.9mm分に相当する。この実験からもわかるように、ミチイトの重さは確実にエサ落ち目盛に影響する。

タナ取りの際、水深測定後、再度エサ落ち目盛を確認するのが必要なのが理解できると思う。


3.トップの塗料等による油分の影響とその解消方法について

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画像6をみて欲しい。ウキのトップの根本に撥水スプレーを吹き付けた際のエサ落ち目盛である。

これからもわかるように、撥水スプレーを吹き付けた部分で止まってしまった。

この実験からもわかるように、おろしたてのウキには塗装の際の油分が残っている。おろしたてのウキを使用すると、最初はゴツゴツしたようなナジミになるのは、この油分が原因である。特に浅ダナ釣りにおいて、なじみの悪さは即、釣果に影響する。

この油分を解消する方法として、以下のような方法が一般的になっている。

@タバコの灰でウキを磨く。

A中性洗剤でウキ全体を洗う。

B歯磨き粉でウキを磨く。

これは、あくまで私見であるが、効果の順は@→B→Aであると考えている。

私はタバコを全く吸わない、また周囲にもタバコを吸う人が非常に少なくなってきたため、私にとっては、タバコの灰を入手するのは非常に困難である。

それに加えて、あの真っ黒の灰でトップをごしごしこするのは、「薄く、軽く、発色がよい。」をモットーにして取り組んでいるウキ製作者にとっては、やはり若干の抵抗を感じてしまう。

親水コート

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自動車のウインドウコート用として親水コートというものがある。(画像7参照)

これは、上記の撥水コートとは逆に、水をはじかず、物質の表面に水がなじむ状態を形成する技術である。

この技術を釣具に応用、特にウキの表面張力を減少させるのに利用できないか、具体的にはこの親水ガラスコートをウキに塗布できないかと考えていた。

原理はこちら

ハンドルネーム「ふなのBLOG」さんも同様のことに関心をお持ちになっており、上記のサイトでスプレー式の光触媒(画像8)を紹介されている。また、この光触媒をミチイトに応用できないかと提案されている。タバコの灰に代わるものとして、是非メーカー側での開発をお願いしたい。


4.ウキへのオモリ負荷量の表示について

最近、有名なウキ作家の方々がウキにオモリ負荷量を表示しはじめている。私の記憶が正しければ、これを最初に導入されたのは、根岸憲治氏作の「歩」であったように思う。私もこの有用性を感じ、取り入れさせていただいている。

具体的な有用性は、以下のとおり。

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画像9参照

画像にあるとおり、2.02gのオモリ負荷量が表示されている。

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サルカン:0.1g(画像10参照)

カラミ止めオモリ:1.0g

ハリ:0.0175g×2コ=0.035g(ハリのパッケージに表示されている。)

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板オモリ0.25厚10mm:0.42g(画像11参照)

2.02g−1.0g−0.1g−0.035g÷0.42g=2.1071428・・・・

注:実測地であり、使用している製品により、多少の重量の変動がある。

*上記の計算式より、板オモリを約21mm程度巻けば、ほぼバランスする。(少ないと再度巻く必要があるので、やや多目に巻くほうがよい。)

上記のことがわかっていれば、自宅で仕掛けを作る際に、机上でオモリ合わせができる。

また、同じタイプのウキで番手のみ変更する場合を具体例で示すと、

1.67g(10番)−1.34g(9番)÷0.42g=0.7857142・・・・

*約8mm程度の板オモリをカットすればバランスすることがわかる。釣り場でこれがわかっていると、実にスムーズにオモリ合わせを行うことができる。

次回は、「ウキ止め方法による立ち上がりの違いについて」、実験を交えながら、解説していきたい。

以上

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