「ウキを知りたい −基本を覚えて使い分けよう−」5


第5回 ボディの形状、特に肩の絞りの違いが、ヘラウキに与える影響について

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1.前書き

足、トップに関する考察に続き、今月より、ヘラウキのボディに関する考察を行っていきたい。

具体的には、「ボディの形状、特に肩の絞りの違いが、ヘラウキに与える影響」について、実験を交えながら、解説を行っていきたい。


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2.ボディの肩の絞り長の違い比較

以下の画像をご覧いただきたい。前提条件は、以下のとおり

ボディの仕様がまったく同じウキにボディの肩の絞り長のみが異なるウキを浮かべ、ウキの立ち上がりの違いを調べてみる。

ヘラウキの仕様

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トップの肩の絞りを除く仕様は全く同じ(右8mm、左16mm)

ボディ:孔雀の羽根5.8mm径(塗装前)、100mm

トップ:グラスムクムク1.4mm(ノンテーパー)

足:竹製:2.0mm→1.2mm(塗装前)

参考@:オモリ荷重@なで肩:1.43g、Aノーマル肩:1.32g

参考A:ウキ下からオモリまで、約20cm→浴槽にて実験



(1)ウキの立ち上がりの違い比較

左側:ノーマル肩、右側:なで肩ウキ

写真@

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写真A

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写真B

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写真C

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写真D

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写真G

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上記画像より2つのウキの立ち上がりを見ると、次の点が理解できると思う。

@絞りが急テーパーなウキのほうが、早く立ち上がる。また、立ち上がる時に、ボディを出して立ち上がる。

Aなで肩のウキは、絞りが急テーパーなウキよりも遅く立ち上がる。また、立ち上がる時には、ボディとトップの付け根で立ち上がる。


(2)復元力の違い

左側:ノーマル肩、右側:なで肩ウキ

写真@

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写真A

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写真B

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写真C

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結論から申し上げると、この実験については、大きな違いを観察できなかった。

理論的には、なで肩のウキのほうが、ウキを押さえようとする水の圧力抵抗が強くなるため、トップがゆっくりと戻ってくるはずである。

逆に言えば、肩張りタイプ(急テーパー)のほうが、ウキを押さえようとする水の圧力抵抗がなで肩より弱いため、復元力が強くなり、トップの戻りがよくなるはずである。

しかしながら、この実験の限りでは、戻る速度はほぼ同じで、1節ほど余分に戻ったあと、1節沈むという動きになった。これは、ウキ下からオモリまで、約20cm(浴槽にて実験)のため、大きな違いが出にくかったと思われる。


これまで、足の長さ、トップの長さ、ボディの形状等がウキの立ち上がりに影響することを、実験を交えながら解説してきた。

ヘラウキの立ち上がりはテコの原理で考えることができる。そして、その立ち上がりは表面張力に大きな影響を受ける。

テコの原理で考えると以下のように考えられる。

《→出典:http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/math/nhirei2.htm》

授業に役立つページ(理科)、児童、生徒に役立つページ、てこ(京都府立南丹高校勤務、浅尾先生作成のWebサイトより)

【解説】てこの原理

次の図のような「てこ」においては,(おもりの重さ)×(支点から作用点までの距離)=(力)×(支点から力点までの距離)となる「力」で,力点において下向きに引っ張るとつり合います。

この例では,60g×6=(力)×1 だから,下向きに360gの力で引っ張るとつり合う。

図1=足40mmに相当すると仮定

60g6_1[1]

打ち込んだウキが寝ている状態で、オモリに引かれる足の先端が「力点」となる。

図では、→手のマーク=力点

トップの先端は、立ち上がろうとする「作用点」となる。

→60gの位置:作用点

その等価な合力が働く「支点」が重心となる。

→▲=支点

おもりの重さが表面張力にあたる。

→60g=表面張力




出典:「へら専科」2005年7月号より

支点から力点の位置が離れていれば、立ち上がるのに少ない力で済むことから、オモリが高い位置でウキが立ち上がる。

ヘラウキの立ちバランスは、主な要因として、

@足の長さ→力点の位置に影響

A足の素材=比重→支点の位置に影響

Bボディの形状=肩の張り具合→支点の位置に影響

Cトップの長さ→表面張力の違い、支点の位置に影響

Dトップの径→表面張力の違い、支点の位置に影響

Eトップの素材→表面張力の違い、支点の位置に影響

等により、決定されると考える。

また、釣り人が理想とする「トップとボディの付け根で立ち上がる」ということは、足の長さ、トップの長さ、ボディの形状等のバランスが大切であり、足を長くしてウキを早く立たせようとしても、ボディを出して立ち上がり、また、上層の不用な雑音までも拾ってしまうことになる。

あくまで、トータルバランスが重要であるということが、これまでの実験から理解できたと思う。


(3)宙釣り用のウキと底釣り用のウキの違いについて

宙釣り用のウキと底釣り用のウキでは、アタリの取り方が異なる。

具体的には、両ダンゴの宙釣りでは、さわりながらなじみ込んだ瞬間にツンとあたるのが、理想とされてきた。

底釣りでは、落ち込みのさわりを重視せず、なじみ方を早くして、なじんでトップが戻ってツンとあたるのが、理想とされてきた。

最近では、上記の理想に反する釣り方、例えば深宙釣りの延長のような追わせる底釣りもあるが、上記のアタリが基本パターンとして認識とされている。

ウキについても、宙釣り、底釣りにおける理想のアタリを演出するための、その形状が追求されてきた。具体的に宙釣りでは、

具体的に宙釣りでは、

@ウキの立ちを早くするために、肩の絞りをきつくする。(支点をトップ側にする。)

Aウキの安定性を確保し、風流れに対応するために、足を長くする。

B足を長くすることにより、支点がトップ側に移動し、ウキの立ちが早くなる。

また、底釣りでは、

@ウキの立ちを早くする必要はなく、肩の絞りをゆるやかにして、ゆっくり立つが、なじみ込みはすばやい。これにより、落ち込みでの余計なさわりをださせない。

Aエサが底にあることから、風流れによる影響を受けにくいことから、足を長くする必要がない。

宙釣り用のウキを底釣りに使用すると、余計なさわりを伴いながらなじみ、ゴツゴツしたさわりが出て、いきなりトップが上がってしまうような動きとなる。

底釣り用のウキは、打ち込んだ後、一拍おいて立ち上がり、すっとなじみ込んだ後、フワッとトップが戻り、「くるぞ」という期待感を抱かせる動きが出なければならない。それにはやはり、なで肩の流線型で、足の短い形からこそ演出されるのではないだろうか。


次回は、「ヘラウキが受ける水の抵抗について」、解説していきたい。

以上

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