7.ヘラウキのトップの修理

製作ポリシーでも述べましたように、ヘラウキは竹竿と同じで、手入れさえしっかりすれば、半永久的に使用できると思いますし、また、そうでなければなりません。

しかしながら、トップの蛍光塗料の「くすみ」は、竹竿における胴ウルシと同じで、何年かに1回かはリペイントしてやる必要があります。

また、チョーチン釣りでは、竿先でトップを叩いてしまい、トップを破損するケースもあります。ここでは、以下、(1)パイプトップの交換、(2)蛍光塗料のリペイントについて、解説していきたいと思います。

市販のウキの多くは、ボディの塗りが終了した後に、トップを装着しています。

ボディの塗りが終了した後に、トップを装着する利点は、@生産性が向上する。Aトップを破損した場合に取替えが簡単である。欠点は、@段ができるため、仕上がりの美しさに欠けることです。

トップを装着してから、塗りを行う利点は、@仕上がりが美しい。欠点は、@トップを破損した場合の取替えに技術を要することです。

「尽心作 匠」では、仕上がりの美しさを優先しているため、トップを装着してから、塗りを行っています。



(1)パイプトップの交換:


トップの破損

チョーチン釣りでは、竿先でトップを叩いてしまい、上記画像にように、トップを破損してしまうことがあります。



1)トップの切断1:


トップの切断1

ソリッドアダプタのところで、パイプトップを切断します。

ソリッドアダプタを破損してしまいますと、大掛かりな修理となってしまいます。


2)トップの切断2:


トップの切断2

カッティングマットの端にボディとトップの接合点を合わせます。

トップの切断3 トップの切断4

片刃カミソリを使ってまわしながら、塗料の部分をカットします。

この際、片刃カミソリはおろしたての新品を使い、ソリッドアダプタを傷つけずに、塗料部分のみをカットするよう、細心の注意を払って行ってください。


3)トップの切断3:


トップの切断2

今度は、トップの縦方向から、カミソリの刃をいれていきます。

最初は4つ割り、さらには8つ割りにして、ソリッドアダプタを傷つけないように、慎重にトップを剥がしていきます。


4)トップの切断、剥がし終了:


トップの切断、剥がし終了

上記画像のように、ソリッドアダプタを傷つけないように、トップを剥がして下さい。


5)新しいトップの装着:


新しいトップの装着

上記画像のように、新しいトップを装着します。

従来、装着されていたトップより、細いタイプのトップを取り付ける場合には、これもまた慎重に、ソリッドアダプタを回転機でウキを回しながら、削っていってください。


6)段差取り:


段差取り

瞬間接着剤で、新しいトップを装着します。

従来、装着されていたトップより、細いタイプのトップを取り付ける場合には、段ができますので、瞬間接着剤で盛り上げて段をなくしていきます。

その後、2回程度、ウレタンで塗装を行い、段をきれいに取り去ります。


(2)蛍光塗料のリペイント:


蛍光塗料のリペイント

蛍光シンナーを含ませたティッシュペーパーで、トップをぬぐい、古い蛍光塗料を剥ぎ取ります。

シンナーが、トップの強度を下げる場合がありますので、あくまで軽く、シンナーを含ませたティッシュペーパーで、トップをぬぐっていきます。

上記画像のように、黒帯部分が残ってもかまいません。

その後は、トップの塗装と同様に、@白下塗り、A蛍光塗料塗り、B細線加工、C黒帯仕上げ塗り を行います


以上

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