尽心工房「底測りバランサーの使い方」について

この項では、尽心工房「底測りバランサー」の使い方について、ご説明させていただきます。

底釣りの苦手な方は、この水深測定(底立て)が鬼門となっていたのではないかと思います。

この方法により、これまで手間がかかっていた底立てが変わると確信しております。

1.はじめに

底釣りでは、正確な水深の測定、俗に言う「底立て」が重要になる。真冬の底釣りではmm単位でズラシ幅を設定していくなど、シビアな水深の測定が要求されます。

関東の管理釣り場では、チョーチンのタナで底釣りができる管理釣り場が数多く存在するが、関西や、野池を主戦場とする九州では、竿先からウキまでかなり距離がある状況で底釣りを行うことが多いかと思います。

竿先からウキまでかなり距離がある状況で水深を測ると、ウキからタナ取りゴムまで、ミチイトが斜めになってしまうことが多く、正確な水深を測ることが難しいです。

以下に紹介する水深の測り方は、これまで解説してきた「表面張力」を逆利用して、ミチイトが斜めになることなく、水深を測る方法です。

2.使用方法

使い方の説明書のダウンロードは、こちら

画像1〜7と図をご覧いただきたい。

画像1:上針1本のみで、大まかなエサ落ち目盛を決め、上針に粘土オモリをつける。この時、粘土オモリは後述するバランサーをつけた状態で、ウキがゆっくりと沈んでいく位の量のものに調整する。

121_2117.JPG

画像2:バルサ材とウレタンチュ−ブで作ったバランサーである。このバルサ材部分にろうそくのろうをこすり付ける。

121_2118.JPG

画像3:蝋をこすりつけたバランサーをウキのトップに取り付ける。この時、トップの上から3分の2位の位置にバランサーがくるようにする。トップの方が細い場合、もしくはチューブの方が太いためボディまで取り付け位置が下がる場合には、太さの異なるウレタンチューブがついたバランサーと交換する。

121_2119.JPG

画像4:通常どおりに振り込と、蝋を塗ったバランサーは、沈んでしまう程のタナトリゴムを有しながらも、表面張力により浮いている。この浮いている間に、ミチイトが真っ直ぐに張る。

121_2120.JPG

画像5:竿尻を引いて、表面張力を開放するとウキは沈んでいく。

121_2123.JPG

121_2124.JPG

画像6〜7:その作業を何度か繰り返すと、粘土製のタナトリゴムが底について、「トン」といった感じでトップが止まる。止まった位置が上バリトントンの位置となる。この位置にトンボを装着、さらに下バリを装着し、ウキ下を浅くして、正確なエサ落ち目盛を設定する。トンボの位置にウキのエサ落ち目盛をあわせると、上バリトントンの位置となる。

3.原理の解説

バルサ材とウレタンチュ−ブで作ったバランサーに蝋を塗ることにより、表面張力を強くし、その力を利用して、ミチイトが真っ直ぐになるまで、沈ませないようにする。ミチイトが真っ直ぐになるのを見計らい、竿尻をひくことにより表面張力を開放し、ミチイトが真っ直ぐになった状態で水深を測るのである。(下図参照)

この方法を用いると、トップの目盛り単位で正確に水深を測ることができる。

また、ヘドロ底の場合でも、一旦トップが止まってから、さらにトップがズルズルと沈んでいくので、容易に判断がつく。

この方法の弱点は、風が強く水面が波立つ場合には、使用できない点である。


出典:「へら専科」2005年12月号より

なお、このバランサーについては、「実用新案特許」を取得しています。

123_2320.JPG

特許電子図書館のトップページは、こちら

「ヘラウキ」で検索願います。

4.使い方のコツ

表面張力を開放し、ウキが沈んでいく時、ゆっくりとウキが沈む程度のタナトリゴムに調整することがコツです。

あくまで、表面張力という微妙なバランスに依拠しているので、それを活かすセッッティングが必要です。

うまくいかない大半は、タナトリゴムが大きすぎるのが原因です。

以上

Copyright (C) Studio Jinshin