(4)生地組み(羽根の選別と切断)

ウキの良し悪しは、製作レベルがあるレベルに達すると、素材に左右されてきます。

特に、1本取りウキの良し悪しは、素材で決まるといっても過言ではないと思います。

尽心作 匠では、2枚合わせに使用できる素材は、100本の内、60本程度、さらに1本取りに使用できる素材は、100本のうち、10本程度しかありません。

確かに1本取りのウキは、普通の素材でも作ることができますが、

丸みが足りないために、

@センターが出しにくい。

A表面と裏面でテーパーが違う。

などの問題が発生します。

1本取りウキの高級ウキは、相当、素材が吟味されています。

近年は、良材がなかなか手に入りはいりません。



1)羽根の選別:


羽根の選別

@羽根は白くて、A光沢があり、Bまっすぐで、 C表面に凹凸が少く、D丸みがあるもの に加え、1本取りの場合には、E裏の筋が真っ直ぐ通っているものを選別します。

また、Dの丸みについては、1本取りの場合には、2枚合わせで使う物以上に、真円に近いものが求められます。

2枚合わせの場合には、ノギスで径を測り、径が同じでかつ、テーパーの具合が同程度の羽根を選び出します。

この時、径はノギスできっちり測ることが大切です。0.1mm違っても、合わせ目はきれいに仕上がりません。

また、根元から150mm程度は、硬すぎて成形に適しませんので、捨てます。

加工でどうしようもない物は、表面が波打っているものです。これは、いくら成形や塗装を施しても、修正がききません。

竹竿の生地組みと一緒で、羽根の選別はウキの良し悪しを決定づける重要な作業です。



2)羽根の切断:


羽根の切断(寸法とり)

羽根を所定の寸法に切断するために、自作工具である寸法台を使って、寸法取りを行います。


この時、実際のボディ長よりも0.5mm長いところに鉛筆でマークを入れます。

羽根の切断(切断)

羽根の側面から片刃のカミソリを入れ、回しながら切断します。 回しながら切るのは、羽根を変形させたり、割れを生じさせないためです。

はさみやカッターで押し切りするのは、避けるべきでしょう。

羽根の切断(面揃え)

羽根を切断したら、切断面が平らになるように、紙ヤスリで整えます。

羽根の切断(マーキング)

紙ヤスリで断面を整えたら、足になるほうに、マジックでマークを入れます。

足側に印をいれるのは、頭側に入れると、削りカスが四つ割り部分を汚してしまうことがあるからです。

羽根は上部に行けばいくほど、羽根自体が柔らかくなり、テーパーがついていることから、上下が判別できるようにするために、入れるものです。

以上

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