「ウキを知りたい −基本を覚えて使い分けよう−」12

第12回 エサ落ち目盛りの決め方について(私見)


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1.前書き

ウキの使い分けの2回目、ウキ製作者側から見たエサ落ち目盛の設定に関する考え方などについて、解説していきたい。

先月号で説明したように、最近のヘラウキの傾向は、用途が細分化されている。しかしながら、同じウキであっても、エサ落ち目盛りの設定の違いでウキの動きが全く変わってしまうこともある。


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2.重心から割り出したエサ落ち目盛りの決め方について

底釣り用の11節で塗り分けられたトップは、7節出しがエサ落ち、浅ダナ用の7節で塗り分けられたトップは、5節出しがエサ落ち目盛りというふうに、エサ落ち目盛りを決められている方も多いと思う。

また、ウキをやじろべえのようにして、支点から一定の距離にエサ落ちを決められている方も居られると思う。

以下の画像をご覧いただきたい。

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ウキ全体の重さの中心である重心をとり、一定位置、例えば、足までの距離と同じ位置をエサ落ちに決める方法がある。私は、このやり方に疑問を持っている。

私は、このやり方に疑問を持っています。

理由は、

@ウキは、水中でオモリ負荷をかけて垂直に使用するものである。それを空気中で、横にして得られた重心から、エサ落ち目盛りを決めている点。

Aこのやり方では、ウキの動きに大きな影響を及ぼす水の抵抗、特に「表面張力」が無視されている点。

の2点である。


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3.エサ落ち目盛りを決める基本的な考え方について

エサ落ち目盛りを決める基本的な考え方は、

@トップの復元力をどれほど残すのか。

なじんで戻してツンのアタリをとる標準的な底釣りでは、トップの戻りが重視される。従って、トップの戻ろうとする力を最大限に生かすために、エサ落ち目盛りはトップ中間よりも下でエサ落ち目盛りを決めたほうが良い。

逆に宙釣りの場合には、トップの戻ろうとする力が強いとカラツンの原因になる場合もある。従って、宙釣りでは、トップ中間あたり、もしくはその上でエサ落ち目盛りを決めたほうが良い。

Aトップのストロークをどれくらい有効に使うのか。

なじんで戻してツンのアタリをとる底釣りでは、ウワズリを防ぐ意味でも、なじむ途中のサワリはできるだけ少ないほうが良い。この意味からも、エサ落ち目盛りは、トップのストロークが少ないトップ中間よりも下でエサ落ち目盛りを決めたほうが良い。

最近の宙釣りでは、動いているエサにしか興味を示さない場合が多い。エサのなじみ幅を4目盛りとした場合、もし、トップ付け根から2目盛り沈めた位置でエサ落ち目盛りを決めると、トップのストロークは、4+2=6目盛りとなる。

もし、トップ付け根から4目盛り沈めた位置でエサ落ち目盛りを決めると、トップのストロークは、4+4=8目盛りとなり、トップのストロークをより有効に使うことができる。

トップのストロークは、ハリスを長くした場合と似た効果が得られる。

ハリスを長くすると、ハリスが張りにくくなるので、ウキにアタリが伝えにくくなる。読者の方も、夏場にヘラブナがエサを口に含んでいるのが目で見えながら、ミチイトやハリスが張っていないため、ウキが動かないという経験をお持ちではないだろうか。

トップのストロークを有効に使うと、ハリスを長くした場合と似た効果を得ながら、ウキにはアタリが伝わりやすくなる。

エサ落ち目盛りを決める基本的な考え方は、トップの戻ろうとする力を生かすのであれば、トップの付け根近で、トップのストロークを生かすのであれば、トップ中間もしくはその上でエサ落ち目盛りを決めたほうが良い。


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4.エサ落ち目盛りを決め方について(私見)

結論から申し上げると、「エサ落ち目盛りは、@ヘラの密度、Aヘラの活性、B底釣りの場合には底の状態によって、ケースバイケースで変化させるべきだ。」と考えている。

私に限って言えば、ウキを製作する際には、ここをエサ落ち目盛りにしようという考えは持っていない。できるだけ軽く仕上げるということに集中している。

底釣りの場合、どんなに軽く仕上げていても、底の状態が悪ければ、ウキの戻りは悪くなってしまう。こんなとき、最初に決めたエサ落ち目盛りよりも、1目盛り余分にトップを出してやるだけで、ウキの動きが変わることがある。

同様に、両ダンゴの浅ダナ釣りで、カラツンが多発する場合、最初に決めたエサ落ち目盛りよりも、1目盛り余分にトップを沈めてやるだけで、カラツンが喰いアタリに変わることがある。


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5.その他のエサ落ち目盛りを決め方について

1)ムクトップ(PCムク、グラスソリッド)を使用する場合、ハリをつけない状態で、トップとボディの付け根でバランスをとる手法がある。

これは、ムクトップのストロークを最大限に生かす有効な一手である。また、底釣りでムクトップを使う場合、ヘラがはしゃぎ気味になった場合には、ハリを重いものに変えることによって、エサ落ち目盛りを簡単に変化させることができる。

「尽心作 匠」では、このエサ落ち目盛りの設定方法に対応しやすくするために、トップとボディの接合部を透かしにしている。

2)浅ダナのウドンセット釣りにおいて、ウドンをつけた状態で、3目盛り出し、もしくは4目盛り出しという設定にする。トップ残り3目盛り、もしくは4目盛りでバラケエサを調整しなければならず、逆にこの範囲でバラケエサを調整するため、ヘラの変化やエサの変化が掴みやすい。

この設定において、3目盛りもしくは、4目盛り出した、俗に言う「勝負目盛り」の色を赤にするのかオレンジにするのか、これは個人の好みとなる。自作ウキの良さは、この「勝負目盛り」の色も自分の好きな色に配色できることにある。

3)カッツケ釣りにおいて、エサ落ち目盛をトップ1節出しで設定にすると、たとえヘラブナがはしゃいでウキが入っていかない状況であっても、ウキを入れやすくなる。また、ウキが立った瞬間からなじみ切るまでの間、早いアタリを取ることができ釣りやすくなる。これは、宙釣りにおけるトップのストロークを利用する典型的な例である。


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6.最後に

1年間、12回に渡って、「ウキを知りたい −基本を覚えて使い分けよう−」ということで、持論を展開してきたが、これで一区切りにしたいと思う。

ウキはエサと並んで、ヘラブナ釣りにおいて、釣果を左右する重要なファクターのひとつである。

エサに流行があるように、ウキにも流行がある。 また、地方性もある。

最近では、管理池におけるヘラブナの大型化が進み、釣法は大きく変化してきている。

ウキ製作においても、この流れに敏感に反応することが、釣果をアップにつながると信じている。

自作ウキの素晴らしさは、自分の釣りスタイルにあったウキを製作できるという点にある。

1年間に渡り、おつきあいいただき、本当にありがとうございました。

以上

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